プログラミング　ツールボックス

Qt/Gcc

10-1.OpenCVライブラリをソースコードから作成する 2017/07/26
(Windows)
　OpenCVライブラリは、Visual C版はバイナリで同梱されていますが、mingw(Gcc)版は、自分でコンパイルしなければいけません。
基本は以下のサイトの通りに行う。なお、QtはVer5.8を使用します。
http://embeddedlaboratory.blogspot.jp/2017/03/how-to-use-opencv-with-qt-mingw-on.html

10-1 パスの設定
ウィンドウズから環境変数のうち、以下のようにパスを通します。このパスはQtをどこにインストールしたかによって異なります。
C:\Qt\Tools\mingw530_32\bin
C:\Qt\5.8\mingw53_32\bin

fig1

Fｉｇ.1

10-2 OpenCVの準備
以下のサイトからダウンロードします。
https://sourceforge.net/projects/opencvlibrary/files/
ここでは、OpenCV3.2.0を使います。
※OpenCV2.4.Xは試していません。Qt5.8.0についてくるmingw5.3.0(gcc5.3.0)ではビルドできないかもしれないので注意してください。
ダウンロードしたOpenCVファイルは圧縮されているので、適当なドライブにOpenCVを解凍します。
私の環境では、E:\OpenCV320、というフォルダの下に解凍しました。この下にopencvのフォルダができているはずです。

10-3 CMakeの準備とCMakeでのConfigureおよびGenerate
以下のサイトからダウンロードします。
https://cmake.org/
ここでは、CMake 3.8.0を使用します。

CMakeを起動します。CMake 3.8.0で実施します。
Source codeにOpenCVに同梱されているsourceコードのフォルダを指定。E:/OpenCV320/opencv/sourcesを指定。
build the binariesにCMakeで作成したmakeファイル用のデータを格納するフォルダを指定します。
fig2

Fig 2

ここで、Configureボタンを押します。
以下のダイアログが表示されるので、Specify the generator for this projectを「MinGW Makefile」に設定します。
そして、Specify native compilersを選択します。
Fig3

Fig 3

Nextボタンを押すと以下のダイアログが表示されます。
Compilersの選択ボックスでそれぞれ以下のように設定します。
Ｃ：C:/Qt/Tools/mingw530_32/bin/gcc.exe
C++：C:/Qt/Tools/mingw530_32/bin/g++.exe
これは、Qtに同梱されているmingwのツールになります。
Fig4

Fig 4
Finishを押します。Finishを押すとFig2の画面に戻ります。
Fig2の画面に戻ってConfigureボタンを押します。すると以下の画面のようにConfigureが始まります。
Fig5

Fig 5

Fig 6

終了後、Qt関連の設定を実施する。Searchにqtと入力する。そして、WITH_QTにチェックを入れて、再度、Configureを実施する。
Fig7

Fig 8

Configureが終わるとQtの各ディレクトリを参照する画面となるため、以下Fig9のようにQtのフォルダを入力する。
C:/Qt/5.8/mingw53_32/lib/cmake/Qt5Concurrent
C:/Qt/5.8/mingw53_32/lib/cmake/Qt5Core
C:/Qt/5.8/mingw53_32/lib/cmake/Qt5Gui
C:/Qt/5.8/mingw53_32/lib/cmake/Qt5OpenGL
C:/Qt/5.8/mingw53_32/lib/cmake/Qt5Test
C:/Qt/5.8/mingw53_32/lib/cmake/Qt5Widgets
Fig9

Fig 9

Docsはドキュメントであるが、TeXが必要？という情報があったので、チェックを外しておく。
Fig10

Fig 10

GNU C(mingw)では、CUDAは使用できないためCUDA関連はチェックを外しておく。
Fig11

Fig 11

cmakeをSerchするとFig 12の図のようなリストが表示される。この中でCMAKE_BUILD_TYPEをReleaseに設定します。

Fig12

Fig 12

これらを設定したら再度Configureを実施してGenerateする。
Genereteが正常に終了したら、Qtのパスを設定します。
fig 13

Fig 13

この後、build the binariesにCMakeで作成したmakeファイル用のデータを格納するフォルダでコマンドプロンプトを起動する。
E:\OpenCV320\opencv\release

このとき、releaseフォルダを選択してshiftキーを押しながら右クリックすると、以下のようなメニューが表示されて、そのメニューから
コマンドプロンプト(PowerShell)を選択する。

fig14

Fig 14

コマンドプロンプトからmingw32-make -j4とする。
-j4オプションは、マルチコア/スレッド対応の時。これを設定するとコンパイル時間が短縮される。
fig15

Fig 15

Fig 16

Fig 17
コンパイルが終了したら、mingw32-make installとコマンドプロンプトから入力する。
これでインストールが開始される。
fig 18

Fig 18

しばらくするとインストールが終了する
fig 19

Fig 19

これでE:\OpenCV320\opencv\releaseフォルダの下に、dllなどがbuildされている。

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